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2009年05月27日

商品デザイン展

商品デザイン展 以前、資生堂の広報部の方より、「『資生堂・サントリーの商品デザイン展』をやりますので、是非いらしてください」という話が。 そこで昨日、時間ができたので、東京藝術大学へ行ってきました。

平日にもかかわらず多くの人が来ていて、見ていた年配の女性の方々は「私が使ったオイデルミンはこのカタチじゃなくてね……」などと懐かしんでいました。

当時の赤玉ポートワインの実物ははじめて見ましたが、かっこいいですね。やっぱり経営者のセンスがいいと、企業は繁栄しますよ。
それに資生堂の前田貢デザインの唐草模様のパッケージは、じつに美しい。
伊右衛門の海外版のIEMONパッケージも必見です。

非常に満足した展覧会でした。開催期間は6月1日までです。


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投稿者 Toshi : 12:32 | コメント (0) | トラックバック

書店メモ

出足好調とのことで、出版社の方がつくってくれた『宣伝部物語』の書店用パネル(左:有隣堂)。右は丸善丸の内本店の新刊・話題書のコーナー。ありがとうございます。

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投稿者 Toshi : 12:20 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月25日

『火星年代記』たまには古典はいかが

火星年代記 引越の際、色々処分したものが多いのですが、必要な本も大分処分してしまいました(^^;;

10代の頃、SFや推理ものの小説にはまっていたのですが、その中で一生手元に置いておきたい本が、レイ・ブラッドベリの『火星年代記』だったのです。
探したら、どこにもないので、おそらく処分してしまったのでしょう。今日、再び購入しました。

もう、あの当時から古典でしたから、SF好きなら知らない人はいない傑作です。
はじめて読んだ時は、その美しくて幻想的な世界語る筆力に圧倒されて、いつかこんな本が書けたらと思ったものでした。

で、SFではなく純文学ではありますが、当時勢いにまかせて小説を書き、『小説現代新人賞』に応募しました。
五木寛之さんや勝目梓さん、志茂田景樹さんなどを輩出している賞です。
予選を通過して名前が掲載された時は、「けっこうイケるじゃん」と調子にのりましたが、残念ながら最終審査までは残りませんでした。

今思えばあたり前のことですが、作家になるのは容易なことじゃないんだなあ、とアッサリ断念。
グラフィックの世界を目ざしたのは、その後のことです。

今も才能ある作家が次々に出てきてますが、もしまだ読んでいないなら、たまには古典はいかがでしょう。
SFなら『火星年代記』の他に、爽快で元気の出る作品『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)、手はじめに短編というなら『冷たい方程式』(トム・ゴドウィン )、推理小説なら『幻の女』(ウイリアム・アイリッシュ)もお薦めですね。いずれも後世まで語り継がれていく名作です。

どれも小説だからこその面白さです。映像じゃこうはいかない。

創造力がつき、脳が刺激されること受け合いですゾ。


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投稿者 Toshi : 22:58 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月18日

新しい命

妹が産まれたばかりの甥っ子の動画をメールしてきました。

かわいいですよ。目をあけたり、もぞもぞしたり。
甥っ子はまだ2人目だけど、同時に自分の年齢を感じさせますわ……

今度帰郷したときが楽しみです(^^

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投稿者 Toshi : 14:30 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月15日

広告制作の向こう側『宣伝部物語』本日発売!

『宣伝部物語〜ヒット広告を生み出す「宣伝部」力の秘密』(阪急コミュニケーションズ)は本日発売です。

出版に際しまして取材や広告掲載に協力頂きました資生堂、サントリー、ソフトバンクモバイルをはじめ、サン・アド、西武百貨店、富士フィルム、JR東海等々の企業の方々、許可頂きました糸井重里氏、浅葉克己氏、各タレント事務所他多くの関係者の方にお礼を申し上げたいと思います。

じつは、ぼくはデザイナーやマーケティング担当といった方たちだけではなく、特にビジネスマンや経営者の方に読んでいただきたいと思っているんです。
ですから、各企業の創業期についても、ページを多く割いて書いています。

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誰もが知っているソフトバンクモバイルの犬のお父さんで有名なホワイト家族、
これでもかと数多くの女優が出演した資生堂TSUBAKIといったヒット広告の舞台裏をはじめ、
60点もの名作広告と、その物語を掲載。

キャメロン・ディアスやブラッド・ピット、宇宙人役のトミー・リー・ジョーンズといった
ハリウッドスターが出演するテレビCM。
資生堂137年の歴史を代表するグラフィックデザイナー山名文夫。
印刷の魔術師といわれた中村誠。
テレビCM創成期のカリスマ、CMディレクター杉山登志。
時代の寵児といわれた女性デザイナー石岡瑛子。
美の伝道師セルジュ・ルタンス。
不世出の天才、片岡敏夫。
伝説のコピーライターで芥川賞作家の開高健と直木賞作家の山口瞳。

宣伝部の歴史。様々なタイプの広告とエピソード。
そして、これらの広告がどのようにしてつくられるのか、そのシステムも公開。
広告クリエイターや経営者、企業の宣伝担当者はもちろん、ちょっと広告に興味がある視聴者、
ビジネスマンや学生の方たちにも楽しんでもらえる傑作選。

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宣伝部物語 目次

はじめに 広告の向こう側

第一幕 資生堂 日本の女性は、美しい。
◇TSUBAKI◇はじめに「ことば」があった
◇初代社長 福原信三◇資生堂意匠部誕生
◇山名文夫のイラストレーション◇山名が資生堂化するか、資生堂が山名化するか
◇中村誠の黄金時代◇印刷の魔術師と天才たち
◇資生堂CMの歴史◇テレビCMの申し子たち
◇セルジュ・ルタンスの美の哲学◇資生堂、世界に羽ばたく
◇総論◇資生堂広告の向こう側

第二幕 サントリー 働く男たちの相棒
◇BOSS◇このろくでもない、素晴らしき世界
◇サントリー、お茶の世界へ◇ただ、ただ、ええお茶をつくりたい
◇寿屋からサントリーへ◇やってみなはれ
◇サントリーのお酒◇人間らしく やりたいナ
◇サントリーのソフトドリンク◇踊る鉄骨娘
◇総論◇サントリー広告の向こう側

第三幕 ソフトバンクモバイル 予想外な家族

◇CM好感度ナンバーワン◇白戸家の人々
◇創業者 孫正義◇ソフトバンクモバイルの誕生
◇ブランド広告◇ロゴマークは語る
◇ソフトバンクモバイルのグラフィックス◇端末とプランで攻める
◇総論◇ソフトバンク広告の向こう側

第四幕 歴史と分析 不思議、大好き。
◇時代のターニングポイント◇広告がブームになった八〇年代
◇宣伝部と広告会社◇日本の広告

おわりに 執筆の向こう側

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投稿者 Toshi : 00:50 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月12日

宣伝部物語〜エピソード1〜

今回の『宣伝部物語』でとりあげているフランスのセルジュ・ルタンス。
彼はクリスチャン・ディオールや資生堂のイメージクリエイターを務めた世界的なクリエイターです。
ルタンスの作品は、これまでも作品集などに掲載されたことがありますので、本書でもスムーズに掲載できるものと思っていました。
ところが、資生堂の担当の方を通じて、許可をとっていたのですが、ルタンス側からNOとの返事が。
ルタンスの事務所によれば、今後はルタンス自身がインタビューなど直接関わったものだけに作品の許可を出したいというのです。

これはぼくにとって、まさに青天の霹靂でした。
元々ルタンスは芸術家肌の天才で気難しい所がある、という噂もありました。
資生堂の方も粘ってくれたようなのですが、「こうなるとこちらでは、これ以上どうにもならない」とのこと。
話自体が作品ありきの内容でしたので、ここで一作品も掲載できないということになれば、掲載する意味がなくなります。
かといって、これ以上無理をいうことはできません。もとより、ここまで協力してもらえたということだけでもありがたいわけです。

そこで、ルタンス編の文章を資生堂へ送り、いちかバチか「せめてルタンスのかかわった商品画像を掲載できないか」とお願いしました。
ルタンスの広告作品があるのとないのとでは、まったく違うものになってしまう。
資生堂であれば、文章の内容がわかれば、それを誰かが理解してくれるかもしれないと思ったのです。

他の会社の原稿も書き進み、締切の日が近づいてきました。
入稿まじかになって、資生堂の担当者から、内容を読んだあるクリエイターから「ここに商品画像が入るのは不自然ではないか」という意見があったという連絡が入りました。
「ここに入るべきは、やはり広告作品。この文章をフランス語に訳して読んでもらい、広告作品が掲載できるよう、再度ルタンスにお願いしてみてはどうか」と提案してくれたのです。
願いが通じた。
「でも、まったくの無駄足に終わるかもしれませんよ」とは、担当の方。
しかし、これで一筋の光明が見えてきました。
ぼくはすぐに編集部にお願いし、ルタンス編の文章を一日でフランス語訳にしてもらって、資生堂に送ったのでした。
それから、一週間ほどして、いよいよ入稿しなくてはならないという時期になって、一通のメールが届きました。
「ルタンス画像許諾とれました! 」
資生堂からのメールでした。

一時は数ページまるごとカットすることも考えたのですが、こうして資生堂編は無事完成したのでした。
偶然ですが、翻訳者は以前ルタンスのインタビューをしたことがあるとのこと。
翻訳の良さも左右したのでしょう。
本は執筆者、編集者、校閲、DTP、取材先の協力、今回であれば翻訳者など、多くの人の手によって完成するのです。
今回の本は、まさにそれを痛感した一冊でした。
最後に資生堂の印象ですが、やはりクリエイターが多く在籍する企業は、クリエイターやクリエイティブなことに対して敬意を払い、大事にする意識が高いと感じました。
今後もどのような作品を提供してくれるか、楽しみな企業です。


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投稿者 Toshi : 22:12 | コメント (0) | トラックバック

2009年05月05日

WEB上の広告の定義とは

ユニクロのユニクロックがカンヌ国際広告祭のサイバー部門のグランプリを獲得したのは昨年のことです。
その他多くの広告賞を獲得しました。
作品としては、クオリティが高く、近年まれにみるアイディアと面白さです。
しかし、この作品自体を純粋に広告というには違和感が残ります。
プロモーションとしてみれば確かにその役割をはたしており、広義の上では広告かもしれませんが。

WEBはいろんな仕掛けができるだけあって、どこからどこまでを広告というべきか難しいところです。
優れたサービスや商品を「広く告知」する。それを広告というのであれば、WEBらしい特徴を生かした検索連動型のテキスト広告が優れていると思います。
それからバナー広告。これも典型的な広告といえるでしょう。
コンテンツサービスを提供する際、テレビCMのような広告を見せるビジネスモデルがありますが、現状のWEBにおいて10秒以上も広告をながめているのは馬鹿げています。
そもそも現在のWEBでは、テレビ型の広告モデルを持ち込むのは無理があります。多くの場合、WEBとテレビでは視聴者の見る目的や集中度が違うため、テレビ型のモデルでは視聴者の負担や嫌悪感が大きいのです。
その意味で、ユーザーの目的にあった広告を表示するテキスト広告は、WEBの長所を生かした広告といえるでしょう。

しかし、わずか数行のテキスト広告では、到底テレビや新聞、雑誌などの他のメディア広告のような文化は望めません。広告ビジネスとしては優れていても、クリエイティブという点から見ると、テキスト広告やバナー広告はやはり見劣りしてしまいます。
でも、それは今現在ということです。将来的にはどうなるかはわかりません。
ぼくは以前、広告費が「いつかインターネットがテレビに追いつく日がくるかもしれない」と書きましたが、それには条件があります。
ライブドアや楽天によるテレビ局の買収が騒がれていた時にさかんに言われていた「放送と通信の融合」ということです。
ぼくは遅かれ早かれテレビとWEBは融合すると思っています。すでに一部はじまってはいますが、デジタル放送によって、ようやく現実味が増してくることでしょう。
それは急速に起こるのではなく、時間をかけて少しづつ確実に進んでいくと思われます。
今のままでは、決してWEB広告は広告の王者にはなりえません。どうのこうの言われていても、やはり王者はテレビCMでありつづけるのです。
一方、視聴者が自由にコントロールできる時代に突入することで、テレビも今後はこれまでの広告モデルのままでは成り立たなくなるのはわかりきっています。

これまで世の中はWEBという世界に過剰な期待をしすぎてきましたが、それも一段落し、冷静に評価されるようになってきました。
多くの企業がWEBでのサービスに広がりをみせる一方で、WEB関連の企業は、いつかリアルな(ここではWEB以外のことを指す)事業に手を出そうとします。
ある程度の規模まで行くと、今後WEBだけで成長していくことができるのは、あらゆるサービスを飲み込んでいけるグーグルなどのほんの一握りに企業だけになるからです。
楽天もWEBだけのサービスに限界を知り、もっとも相乗効果が望める放送との融合を考えた。
しかし、悲しいかな、楽天もライブドアも手を出すのが早すぎました。スピードこそベンチャー企業の命綱では有りますが、何事も時期ということがあるのです。
放送と通信の融合。
その時、従来型の広告モデルは変化を起こし、WEB広告はテレビCMとともに広告の王者となるのかもしれません。


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投稿者 Toshi : 21:14 | コメント (0) | トラックバック