2009年07月11日

隣の芝生は……クリエイターの給料

昇給どころかクビもあぶないといわれる今日この頃。

エイクエントのオレンジブック2008-2009年版でクリエイター、デザイナーの給料が調査されています。
下記は平均値ではなく中央値です。
中央値ですから、全体の半分がこの金額以上、残り半分がこの金額以下ということになります。

○クリエイティブディレクター・・・東京/700万円、福岡/588万円
○アートディレクター・・・・・・・東京/600万円、福岡/379万円
○グラフィックデザイナー・・・・・東京/390万円、福岡/340万円
○コピーライター・・・・・・・・・東京/450万円、福岡/350万円
○WEBディレクター・・・・・・・東京/480万円、福岡/360万円
○WEBデザイナー・・・・・・・・東京/415万円、福岡/300万円
○WEBプログラマー・・・・・・・東京/500万円、福岡/400万円

4年前の調査と比べてみてください。

東京ではディレクター職、WEBデザイナーはあまり変わっていませんが、グラフィックデザイナーの給与が450万円から390万円(ここでは出していませんがオペレーターは370万円から325万円)に減っています。
これはディレクションやWEBの仕事と比べ、印刷物の需要が減少していることも影響していると思います。

じゃあWEBデザイナーは大きく上がっているかというかというと、若干のアップにとどまります。これは競争激化で制作料金が頭打ちであるという傾向があるのかもしれません。

地方都市である福岡は全体に少しアップしています。
それでも東京と比べるとやはり差が開いていますね。
しかも、これは2007年がベースとなりますので、リーマンショック以前の調査ということになります。今は悪化している可能性が高いです。

そして給与よりも、フリーランスなどの独立組で収入が減っている所も多いでしょう。

会社の倒産もしくは非正規社員のリストラも多いのではないでしょうか。
それに比例して再就職しなかった(またはできなかった)人の独立組が増えるかもしれませんね。

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2009年06月29日

王様のアイディアに挑戦

card.jpg

ハイパーカードといえば、Macのソフトだな、と懐かしむ人も多いでしょうが……

中学生ぐらいの頃、「王様のアイディア」という店が近くの駅前にありました。
そこで、ありえない形に折られた紙を、透明のカプセルに入れて売っていたのです。

作成したのは、どこかの会社だと思いましたが、それは丸い用紙でつくられていました。
どうやってつくったんだろう、と不思議に思ったものです。

これはハイパーカード(不可能物体)の一種で、写真はその一例です。
ある資料収集の一環で、手元にあるメモ用紙で作ってみました。

一枚の紙が、ありえない形で折られています。(紙に何かあるのはペンギンの絵(^^;;)
「王様のアイディア」で売られていたものは、購入したわけではありませんのでわかりませんが、おそらく同じ原理じゃないかと思います。

何枚かの紙を貼り合わせて作成したのではなく、一枚の紙でできています。
つくり方のヒントは、用紙の三箇所に切込みを入れて折るということです。
一見、不可能に見えますが、やり方さえわかれば誰でも簡単に作成できます。
発想の転換というものです。

ハイパーカードは、パズル好きの間では有名なものでした。
いろんな方向からアイディアを考えれば、不可能も可能になるという面白さを知ったのも、この頃です。

アイディアは利益を生むと教えてくれた「王様のアイディア」も、今はもう全店閉店してしまったようです。

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2009年06月27日

グラフィックデザインの移り変わり

昨日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで『Max Huber − a graphic designer』を見ました。
マックス・フーバーは前世紀に活躍したグラフィックデザイナーです。

今回の企画展で一番印象深かったのは、じつは建築家の安藤忠雄さんが寄せたことばです。

「一九六〇年代、二十代のとき、私は独学で建築を学びながら、アートやデザインなどさまざまな分野の表現芸術に興味を持ち、影響を受けていた。その中でも、グラフィックデザインは最も先鋭的で知的な世界で(中略)真の意味でデザインが前衛たりえていた、時代の空気をなつかしく思い出す。フーバーは、自らの創造力をもって、商業主義を超越し、企業とデザイナーが一丸となってつくりあげて行く文化の流れを生み出した」

今、グラフィックデザインは「最も先鋭的で知的な世界」とみられているだろうかと、しばらく考えこんでしまった。

まして「商業主義を超越し、企業とデザイナーが一丸となって」という状況とはほど遠いケースも多いわけです。

その後、クリエイションギャラリーG8で「JAGDA新人賞受賞作家作品展2009」を見ました。

「お、この表現素晴らしいなー」「このグッズは面白いね」なんて思いながら見ましたが、時代を越えたふたつの作品展を見て、グラフィックはやっぱり先鋭的で知的な世界でありつづけているのではないだろうか、と思いました。

表現とは単に技術のことだけではないわけです。

例えば小説には小説の、映画には映画の良さがあります。ふたつを比較してどちらが優れているという議論は意味がないと思います。

だから他の表現技術と比較するのではなく「企業とデザイナーが一丸となる」ことこそが、真の意味で成功をもたらすのではないかな、と感じた一日でした。

うん、やっぱり何を使うかよりも、目的とゴールを共有し、どのように使うかが大事なんだね。

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2009年06月26日

Keynoteでプレゼンテーション

今日はいくつかの用事で銀座に行ってきました。

夜は、他の分野の方が、どのようにプレゼンしているのか気になったので、アップルストアで「Keynoteでプレゼンテーションにレバレッジをかける実践テクニック」に参加。

レクチャーしたのは、多くのベストセラー本を執筆している本田直之さん。

黒地にキーワードのみシンプルに見せる、などコンセプトや考え方に私と共通点が多く、またイメージしていたよりソフトな方で、共感しました。

いずれにしても、パワポで一枚のスライドに何行もびっちり詰め込むプレゼンはわかりづらいし、つまらないです。

もちろん、内容はソフトが作るんじゃなくて、人が作るんですが、Keynoteはプレゼンの天才スティーブ・ジョブズのために作られたようなソフトなだけに、かゆい所に手が行き届いています。

Keynoteはプレゼンで非常に使いやすいツールですってことで締めたいと思います(^^

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2009年06月25日

訃報

雑誌「AERA」、「新生党」のネーミング、「でっかいどお。北海道」、「和イスキー。膳」など多くの広告を手がけ、いつも明るく楽しいコピーを提供してくれたコピーライターの眞木準さんが、お亡くなりになられたとのこと。(毎日新聞)
60歳という年齢はまだまだ若く、活躍されていただけに残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。

新聞広告の力

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2009年05月27日

商品デザイン展

商品デザイン展 以前、資生堂の広報部の方より、「『資生堂・サントリーの商品デザイン展』をやりますので、是非いらしてください」という話が。 そこで昨日、時間ができたので、東京藝術大学へ行ってきました。

平日にもかかわらず多くの人が来ていて、見ていた年配の女性の方々は「私が使ったオイデルミンはこのカタチじゃなくてね……」などと懐かしんでいました。

当時の赤玉ポートワインの実物ははじめて見ましたが、かっこいいですね。やっぱり経営者のセンスがいいと、企業は繁栄しますよ。
それに資生堂の前田貢デザインの唐草模様のパッケージは、じつに美しい。
伊右衛門の海外版のIEMONパッケージも必見です。

非常に満足した展覧会でした。開催期間は6月1日までです。

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書店メモ

出足好調とのことで、出版社の方がつくってくれた『宣伝部物語』の書店用パネル(左:有隣堂)。右は丸善丸の内本店の新刊・話題書のコーナー。ありがとうございます。

syoten.jpg

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2009年05月25日

『火星年代記』たまには古典はいかが

火星年代記 引越の際、色々処分したものが多いのですが、必要な本も大分処分してしまいました(^^;;

10代の頃、SFや推理ものの小説にはまっていたのですが、その中で一生手元に置いておきたい本が、レイ・ブラッドベリの『火星年代記』だったのです。
探したら、どこにもないので、おそらく処分してしまったのでしょう。今日、再び購入しました。

もう、あの当時から古典でしたから、SF好きなら知らない人はいない傑作です。
はじめて読んだ時は、その美しくて幻想的な世界語る筆力に圧倒されて、いつかこんな本が書けたらと思ったものでした。

で、SFではなく純文学ではありますが、当時勢いにまかせて小説を書き、『小説現代新人賞』に応募しました。
五木寛之さんや勝目梓さん、志茂田景樹さんなどを輩出している賞です。
予選を通過して名前が掲載された時は、「けっこうイケるじゃん」と調子にのりましたが、残念ながら最終審査までは残りませんでした。

今思えばあたり前のことですが、作家になるのは容易なことじゃないんだなあ、とアッサリ断念。
グラフィックの世界を目ざしたのは、その後のことです。

今も才能ある作家が次々に出てきてますが、もしまだ読んでいないなら、たまには古典はいかがでしょう。
SFなら『火星年代記』の他に、爽快で元気の出る作品『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)、手はじめに短編というなら『冷たい方程式』(トム・ゴドウィン )、推理小説なら『幻の女』(ウイリアム・アイリッシュ)もお薦めですね。いずれも後世まで語り継がれていく名作です。

どれも小説だからこその面白さです。映像じゃこうはいかない。

創造力がつき、脳が刺激されること受け合いですゾ。

Posted by Toshi : 22:58 | コメント (0) | トラックバック (0)