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2007年07月22日

消費者は企業よりもかしこい〜改正著作権法

今月改正著作権法が施行され、著作権侵害罪は

5年以下の懲役 → 10年以下の懲役
個人が500万円以下の罰金 → 1,000万円以下の罰金
法人が1億5,000万円以下の罰金 → 3億円以下の罰金

と改められました。
これは違法コピーに悩むソフトウェア業界にとって歓迎すべきことでしょうし、著作権侵害に悩むクリエイターにとっても、これらの法律は交渉時の武器となるかもしれません。
しかし、一方で著作権法は単に厳罰化、厳格化されていけばいいというものでもありません。

昨日朝日新聞に「ウォークマンが負けた日」という記事が掲載されていました。著作権保護に固執してしまったためにアップルのiPodに王座をとって代わられたソニーの話です。

「ネット時代には音楽や映像が様々に使われ、コンテンツ側が主導する著作権管理が時代にそぐわなくなっている面もある。こちらが消費者の立場に立っていればiPodの進出を許さなかったのだろうが、アップルがその立場にいた」(出井伸之ソニー前会長:朝日新聞7/21付より引用)

権利関係が複雑な日本では、iPod+iTunesのようなサービスは生まれなかった。ソニーのように、自社の利益を優先するあまり、中途半端なサービスになってしまったという例が今の日本を象徴していると思います。
消費者は企業よりもかしこい〜今更ですが、ソニーのサービスがアップルに負けたのは当然の結果だったといえるでしょう。
企業を守ろうとするルールが、企業を迷走させたり起業を阻むこともあるということです。

今、国や地域でベンチャー支援に積極的に取り組んでいます。しかし、今の日本でグーグルのような企業は育つでしょうか?
著作権は厳しくするのもいいですが、一方だけを見るのではなく総合的に変えていくことが、今後の課題です。

また、iPhoneの販売三日前、総務省のモバイルビジネス研究会が報告書をまとめました。携帯電話の販売方法も見直されようとしていますが、これもきっかけはアップルのiPhoneだったと言われそうです。

そう考えると、卓越したアイディアを現実にしようと思って、日本の慣習や法律に阻まれるようであれば、海外で起業した方がいいでしょう。できるわけがないよ、という常識が発想の一番の敵なのです。
そのあと、海外の実績をもって日本で始める。日本の慣習、法律が変わる時はいつも海外の黒船がきっかけなのですから。



投稿者 Toshi : 2007年07月22日 12:51

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海外起業とは何でしょうか。 この文章を読んでいる人は日本人と想定すると、日本国外の会社オーナーになるということですね。 では、海外で起業すると、どんなメリ... [続きを読む]

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コメント

クリエーター独立ガイド
購入しました♪

いつかは独立目指して、猛勉強中のモホフです。

リアルな内容がかかれててこの先とても為になりそう
です。

まだまだ道のりは長いですが・・。

投稿者 モホフ : 2007年07月25日 10:48

こんにちは。
ご購入ありがとうございました(^^

必要なときにいつでも確認できるよう、お手元において活用してもらえれば、著者としてこれほどうれしいことはありません。
やがて時がきたとき、独立の成功をお祈りいたします(^^

投稿者 toshi : 2007年07月26日 12:17

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