2007年07月30日

適正な取引のためのガイドライン

経済産業省より「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」が策定されております。

納品後に値引きを強要されたり、変更が生じたもののその料金が反映されなかったり、支払いが滞ったりという下請法にかかわる様々な事例、罰則について説明されています。

特に下請法を知らない方、下請法にあてはまる企業は参考にしましょう。
情報サービス・ソフトウェア産業や広告業界など、業界別にダウンロードできます。

それぞれの業界団体も、ガイドラインに沿った公正な取引ができるよう活動してくれることを願います。


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2007年06月12日

保険(1)

小規模の法人経営、フリーランスで経営する我々クリエイターにとって、ケガや病気への対処というのは非常に重要なテーマです。

サラリーマンの健康保険には、病院3割負担の他に、ケガや病気で働けず賃金が支払われないときには傷病手当金というものが出ます。
就業中の災害には労災保険というものがあります。失業時に出る失業保険(雇用保険)もあります。

しかし、フリーランスが加入する国民健康保険は病院3割負担しかありません。法人用の社会保険も、経営者は雇用保険には加入できません。

特に若い世代のクリエイターは、仕事をこなすことにばかり意識がいって、生命保険などにも加入していないという人も多いのではないでしょうか。
これでケガや病気で仕事ができなくなった時にどうするのでしょうか。
親が加入してくれているケースも多いので確認してみましょう。
結婚しているクリエイター、年配のクリエイターはほとんど加入しているでしょうね。

小規模企業経営者用の団体に加入して、共済に入るというのも一つの方法です。共済は民間のものと違って儲けようとしてやるものではなく、みんなで支え合おうという目的で運営されるものですから、非常に安いです。
民間の保険は高いという人はこちらを利用してみてはどうでしょうか。
労災保険の代わりになるになるような保険なども取りあつかっている所もあるようです。
共済、民間の保険などをうまく組み合わせて利用すると、少ない掛金で、いざ入院などで仕事ができない時にも充分カバーできるだけの金額は確保できるはずです。
長くなりそうなので、続きはまた機会を改めて取り上げたいと思います。


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2007年03月26日

営業

積極的に営業する人もいれば、反対に営業は特にやったことはない、という人も多いと思います。
これは人から人に連鎖して仕事が発生してきたからですね。
ぼくも仕事の多くは以前からの知り合いや紹介です。

ではぜんぜん営業しないかといったら、そんなことはありません。
東京にはほとんど知り合いがいなかったので、様々な会社を知る上でも、時々営業活動をします。実際に営業して仕事をいただいている会社もあります。
そのような営業先で話をすると、多くの発見があります。一定の枠の中でしか仕事をしていないと気付かない発見だと思います。
こんな面白い分野の仕事があるのかとか、こんな考え方で仕事をしているのかとか、この部分は逆に仕事をお願いできるかな、とか。

こういった仕事は会社内または同じメンバーとばかり仕事をするよりも、仕事に合わせてチームを作った方がいいものが生まれます。
そう考えると多くの会社、クリエイターにアンテナを張っておくのは多くのメリットがあります。
また、クリエイターは例え会社員でも、ひとりひとりが独立した会社という意識で働く方がいいと思います。(もちろん、それぞれが好き勝手なことをすればいいという意味ではありません)

新しい分野の仕事をしてみたい、という場合にも営業が必要になるかもしれませんね。
人によって一般の企業に営業する人もいれば、広告代理店などに営業する人もいますが(イラストレーターの方だと出版社とかに積極的に売り込む場合も多いですね)、どちらにしても相手の都合を考えず、あまり強引なのはよくありませんので、注意しましょう。

営業はクリエイターにとってあまり得意な分野ではありませんし、中には嫌な思いをした経験がある人もいるかもしれません。
しかし、仕事をいただく以外のメリットもありますので、そう考えると結構面白いのではないでしょうか。
ただし、自分の仕事量を計算しないと、せっかく仕事をいただいても断るようなはめになりかねません。気をつけましょう(^^


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2007年03月14日

申告相談

さて、フリーランスの方々はもう確定申告が終わったころですね。
この間週刊ダイヤモンド(2/17号)にて、元国税調査官の方が「個人事業主・フリーランサーは申告相談で申告しない」ようにということを書いていました。

ようするに申告相談では、税理士より税務署職員にあたる可能性が高い。
経費にできるかどうかというのは、あいまいなものも多く、担当者によって許容範囲が違う。
申告相談では、領収書も帳簿も厳しくチェックされ、経費になるかどうか主観的な要素の強い物は認められない可能性が高い。
一度申告書に書いてしまったものは、税務署職員といえど明確に否定できるものでない限り否認できない。
だから、税務署職員は相談の段階でこれを否認しようとする。

つまり自分で作成したり税理士が作成すれば、もめることがほとんどないものでも、申告相談で作成すれば認められないことが多いということです。
それと手がすいてる早めの時期に出すと、それだけ厳しくチェックされて不利(^^;;
ま、向こうにしてみれば一銭でも多く税金を納めてもらいたいものですよね。
そんなことも頭に入れておくといいのではないでしょうか(^^;;


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投稿者 Toshi : 17:05 | コメント (0) | トラックバック

2007年01月14日

フリーランスと法人と確定申告

フリーランスの方は、もうすぐ確定申告の時期ですね。

フリーランスと法人ではどちらがいいかというのは、その人の考え方で、正解はないですよね。
ある程度利益を得たいと考えるのが前提ですが、あえて個人的意見を言えば、これから起業するのであれば最初から株式会社がいいと思います。
例えば...

あとで法人成りにするのは結構面倒なんですよね。
基本的に個人事業(フリーランス)の時に受けた仕事は、法人設立後も最後まで個人事業で処理しなくちゃいけないのがデメリットですので、注意が必要です。

また、あらゆる面でフリーランスよりも、不利な部分より有利な部分が多いのです。
まして今後は益々有利な部分が増えると予想されます。

法人は経理が大変そうと思うかもしれませんが、会計ソフトを使えばひとり〜小規模の会社ならそう面倒でもありません。
ある会計の本にこんなことが書いてありました。

引用-----------------------
かつては個人の確定申告書では、以前は申告書の代書をしてくれました。(中略)しかし、現在では絶対に代書はしてくれなくなりました。「自著申告」ということをスローガンに、自分で計算して自分で書くことを指導されます。これは個人の話ですので、会社の場合はどうなのだろうと思っておりました。(中略)
以前、税務署の法人税の担当者に聞いたことがあるのですが、パソコンで打ち出した決算書を持って申告の相談に来られる人が実際にいるそうです。
「どう対処するのですか?」
と商売柄つい聞いてしまいました。
「申告書と別表の書き方まで指導します」
とのことです。
ということはつまり、この方の場合は法人税の申告書を書いてくれるということでしょう。どこでもそうかはわかりませんが。
(『これならできる!小さな会社の超簡単経理―もう悩まないもう困らない会社の経理がらくらくわかる!』より)
------------------------------

これなら不慣れな人でも税理士とかも必要ありませんね。(もちろん、予算的に可能であれば、申告などは専門家などにまかせて、自分は事業に専念するのが一番効率がいいですが)
書いてもらえないまでも、書けるように教えてもらえるのでは。決算書は会計ソフトが作成してくれますし。
するとフリーランスの青色申告と経理上の手間は、小規模法人ならあまり変わらないのではないでしょうか。

フリーランスの確定申告は時期が決まってますが、法人の決算期は自由に決められます。
忙しい時期を外して決算時期を決め、活用できる所は活用しましょう(^^


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2006年12月22日

クリエイターの起業と経営

hon01.jpgクリエイター独立ガイド 起業と経営は12月25日のクリスマス発売です(^^  すでにアマゾンでの予約が始まりました。

サンプル例はグラフィックデザイナーやWEBデザイナー、ディレクター向けが中心ですが、どのクリエイターでも応用が効くと思います。

クリエイターの起業方法と経営方法を、具体的な手続きや処理の説明、クリエイターにありがちな様々なエピソード、支援機関のインタビューなども含め一通り説明しています。
実務上の問題点の他、請求書や見積書、領収書の書き方や税金、経理など必要な事務処理も掲載しました。

下記は目次の一部抜粋です。
大きく5つのブロックに分けていますので、興味のある所から読んでもらってOKです。よろしければ気軽に手に取ってみてください。

○目次からの抜粋
クリエイターという職業/就職しないでも独立できますか?/独立すれば学歴や年齢は関係ない/収入はどれくらいですか?/独立後の生活/独立前にしておくこと/法人化は節税になる?/独立形態の選び方/主な資金繰りの方法/開業する時の手続き/社会保険/フリーランスの税金/控除を見逃すと損をする/法人の税金/ピンチは突然やってくる/書面の書き方/スケジュールの決め方/クリエイターの営業/取引先の見極め/クリエイターの著作権/トラブルの対処法と備え/複式簿記のラクラク記帳法/青色申告と白色申告... 他


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2006年12月06日

当ブログの本が出ます。

hon.jpgひさしぶりの更新です(^^;;

んで、何をしてたかというと、このブログの内容が本になるので、その執筆をしていたのです。

よーするに、今日は宣伝です(^^
今回なんとか今月中に出したいとの出版社の意向もあり、かなりタイトなスケジュールで本業と合わせて慌ただしい一ヶ月でした(^^;;
このブログといっても、8割以上新たに書き下ろしたので、もはや別ものといっていいかもしれません。

タイトルは「クリエイター独立ガイド 起業と経営」(ローカス刊)です。
WEB、グラフィックなどのクリエイター向けに、起業の方法、独立支援の種類、運営方法、著作権や支払トラブル、経理にいたるまで、独立運営していく上で必要なものは一通り入れています。

今日は出版社へ行ってカバージャケットの色校正と本文の最終チェックを行いました。
出来上がりが楽しみです。
今月出ますが、詳細についてはまたお知らせします(^^


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投稿者 Toshi : 16:32 | コメント (0) | トラックバック

2006年09月19日

個人事業税とWEBデザイナー

なんか、ここんとこ忙しさにかまけて更新が滞ってます(^^;;
うちは法人なんですけど、仕事上個人事業税について調べる機会があったのでひとこと。

フリーランスでも事業税のかかる業種とかからない業種があります。
デザイン業ってのは事業税が5%かかりますが、ライターなどの執筆業やプログラマーはかからないんですね。これって結構大きいですよね。
事業税は地方税なので各都道府県税事務所の管轄になります。
微妙なのはWEBデザイナーで、東京都によると事業税がかかるとの返答が。
ところが神奈川県では事業税はかからないとの返答。
つまりプログラムと見るのかデザインと見るかの違いで、地区によって違うわけです。
フリーランスの方はよく確認した方がいいですね。

ちなみに事業税がかかる業務とかからない業務両方している場合、かかる業務にたいしてだけ事業税を払えばいいそうです。
面倒くさいもんですね(^^;;


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2006年06月10日

著作権侵害の請求額

さて、これは放っておけない、という著作権侵害の場合はどうすれば良いでしょう。
まずよく話し合い、この場合は正規の料金を請求します。
相手が悪質で話し合いに応じてくれない場合は、内容証明郵便で請求書を送付します。
それでも応じてくれない場合は裁判、もしくはそれに準じる手間をあまりかけずに回収する方法もありますが、こういったトラブル対処法はまた後日(^^

それでは、いくらぐらいの請求が妥当なのでしょうか。

20万円で請求しているケースのデザインであれば、20万円が賠償額です。プラス、デザイン使用差し止め請求ができます。
相手がそのデザインで利益を得ている場合は、それを元に算出することもできます。
民事裁判では、むかついたからといって、何倍もの請求しても認められないケースがほとんどです。

それじゃ腹の虫の収まらないという場合は、著作者に利益が出るわけではないですが、親告して刑事裁判にしてしまう方法もあります。
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金もしくはその両方となります。
会社などの法人が犯すと、当事者に加えて法人には一億5000万円以下の罰金が科せられます。
もっとも、軽微なものでは簡単に逮捕まではいきませんが、このような知識を持っておくと良いですよね(^^
こういった方法は最後の手段でして、大抵はその前に示談ということになると思いますが…。


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投稿者 Toshi : 19:19 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月09日

著作権対処法

デザイナーの著作権にまつわるトラブルで多いのが、デザインを真似された、またはデザインデータを流用されたということでしょう。

1. コンペで落選したはずのデザインが、いつの間にか利用されていた。
2. 作成データを無断でクライアントに二次利用された。

こういう例はデザインだけではなく、イラストや写真なんかも多いですね。
1はあきらかにクライアント側が、悪意を持って行っているケースが多いようです。
信じられない事に決して珍しいことではなく、私のまわりでも何度か聞いた事があります。
2は、現状あたり前のように横行していることです。特に悪意があって行っているというよりは、 著作権に対する知識が無いために行っているケースが多いです。

デザイナー自身、著作権侵害だと気づいてない場合も多いですが、 著作権侵害だとわかっていてもなかなか強気に出れない場合が多いのではないかと思います。

私もそのようなことがあったことで、以下の問題が浮かび上がってきました。

1. 発注者の認識不足--制作料を払えば全て私のもの、という勘違い。
2. 制作者の知識不足--予防策を取れなかった。説明できなかった。
3. 力関係による説明不足--問題にしすぎると今後に影響する。

具体的な対処方法には以下の方法があります。

  • 見積書に「この料金には制作者以外へ二次利用するための料金は含まれておりません。 二次利用する権利も含める場合は別途お見積もり致します」など、条件を明記しておく。
  • 著作権、使用条件に関する事項を契約書で取り交わす。
  • データを手渡すメディア、用紙やデータ送信時に無断複製や二次利用ができない旨を明記する。
  • 打ち合わせや見積り前に「このデザインは私以外が使用して、二次利用することはありますか」と聞いておく。 自分以外が二次利用することがわかっていれば、その料金も含めて料金を提示しておく。

あらかじめ発注者に著作権の存在をアピールしておくのです。
このさじ加減は難しく、あまりに著作権を厳しく主張しすぎても「面倒くさい奴」と思われ、 仕事がこなくなるのではと思うデザイナーも多いでしょう。
現実問題として、常に仕事を貰っているクライアントなら、この程度なら差引き損はしないと判断するのも間違いではないと思います。
私も普段は二次利用してもかまわない、と思うことも多いです。

著作権侵害は親告罪です。著作者が問題ないと判断すれば、著作権侵害として罪に問う事は出来ません。
かといって、何の対処もしないのもどうかと思います。上記の対処方法などでクライアントに著作権に対する意識を高めてもらいつつ、 容認するケースと容認できないケースをどのように分けて考えるかというのが、経営判断になるのではないでしょうか。


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2006年06月07日

中間生成物の扱い

前回著作権の話をしたので、その続き。
グラフィックデザインなどの場合、著作権は制作したと同時に制作者がその権利を得ます。
その場合の著作権は「著作財産権」「著作者人格権」から成り立ちます。
著作財産権は、複製することができる複製権、翻訳や変形したり二次利用したりする翻訳権、翻案権等があります。
著作者人格権は著作者の意向を無視して改変したりすることができない同一性保持権、作品を公表するかどうか決める公表権、著作者の名前を表示するかどうか決める氏名表示権です。
著作財産権は譲渡することが可能ですが、著作者人格権は譲渡することはできません

他には中間生成物の所有権の問題があります。
例えばパンフレット印刷の場合を例にしましょう。
デザインのみを請け負った場合はそのデータ納品が最終納品物(目的物)です。しかし印刷まで請け負った場合の最終納品物は、刷り上がったパンフレットです。

刷り上がるまでには、デザインのデジタルデータ、印刷所であれば製版フィルムが作られます。これらは中間生成物といい、所有権は制作者側にあります。
過去の判例を見ても、特別な契約がない限り、発注者に引き渡す義務はありません。もしクライアントが制作データを渡してくれと言った場合は、中間生成物は別請求であること説明し、別途データ料金と引き換えに受け渡す方法もあります。

いずれの場合も、特に使用条件に関して取り決めをしていない限り、デザイン料金を払ったからといって著作権はクライアントには移りません。あくまで該当する利用目的のためだけのデザイン料金であるということです。

長くなりそうなので、続く(^^;;


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投稿者 Toshi : 09:26 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月25日

ああ、著作権

会社員時代でかなり前の話なんですが、クライアントに頼まれてキャラクターを作った事がありました。
当時はさらさらっと書いたやつが、あっさり「これいいねー」ってことになりまして。制作費は確か5万円でした。今考えると安すぎですけど。
その後は何か作るたびにそのキャラクターを使うようになりました。
ある日そこの事務局の人から電話がきて「あのキャラクターはそちらに著作権があるんですか」と聞かれました。
「形上は、一応そうなりますけど…」と答えて、その場は終わりました。が…

その時から大変ですよ。そのクライアントは「もうあのキャラクターは使うな」とか「どうなってるんだ」とか。
そのクライアント内でえらい騒ぎになってるそうで、こちらが事情を説明に行きました。
営業もディレクションも兼ねてたので私一人で行きましたが、クライアントのお偉いさんが「なんでそちらは社長が来ないんだ」とか言うんです。

何か悪い事やったのかな、と思いましたよ。むしろ、こっちが正しいんですけど。
とりあえず会社にとって大事なクライアントだったので「好きなように使っていいんですよ」と言いました。
もっと対処方法があったのかもしれませんが、当時はそれが精一杯。
なんで謝ってんのかなと、正直ちょっと悔しかったですね。

その後はそのクライアントは物の売買ができないので、違う機関がいろんなグッズを作ってるんですよ。そのキャラクターを使って。
今ならちゃんと契約書交わしますけれども、当時は甘かったな、と思います。
制作費と著作権は別物で、そもそも特別な契約がない限り著作権(財産権)は制作者側にあるんです。

困った事に、そのクライアントというのが国の行政機関なんですよね。
国の役人がこうですから、日本でデザイナーの著作権がいかに軽く考えられてるかわかりますよね。


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投稿者 Toshi : 10:23 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月26日

デザイナーにとっての下請法とは

そういえば昨年クリエイター向けの下請法や契約に関するセミナーに行ってきてたんですよ。書類が出てきましたので、ここでおさらい。
下請業者が個人事業主または1000万円以下の資本金の会社だとします。親事業者(発注者)が1000万1円以上の会社だった場合にその発注者には以下の義務や禁止行為が生じます。

  • 他の類似品と比べて著しく低い下請代金を不当に定めてはならない。
  • 納品してOKが出た受領日から60日以内に下請代金を支払わなくてはならない。
  • 給付内容や支払額・支払期日などの事項を記載した注文書(発注書)を下請事業者に発注後直ちに交付しなくてはならない。
  • 下請業者に責任がないにもかかわらず、発注した物の受領を拒んだり返品してはいけない。
  • 下請業者に責任がないにもかかわらず、費用の負担無く注文内容を変更したり、受領後にやり直しさせてはならない。
  • 下請業者に責任がないにもかかわらず、予め定めた金額から減額してはならない。
  • 親事業者の違反行為を下請業者が公正取引委員会に知らせたことを理由に、取引停止などの報復措置をとってはならない、など。

これが下請法と呼ばれる法律です。僕の周りでも知らない人の方が多く、はたしてデザイナー、いや、業界全体でどれほど浸透しているでしょうか?
また、下請業者が5000万円以下で親事業者が5000万1円以上の資本金の関係でも当てはまります。
これを守らない場合は公正取引員会から改善勧告、勧告の公表、50万円以下の罰金が課せられます。
公正取引委員会のホームページには下請法の詳細と専用の相談窓口が掲載されています。

公正取引委員会 http://www.jftc.go.jp/


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投稿者 Toshi : 22:35 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月13日

デザインの仕事の多様性

今までいろんなデザインをしてきましたが、独立してからは会社案内や製品案内などのパンフレット、カタログが一番多いですね。次いで雑誌広告とかパッケージかな。
会社案内を作ると流れでホームページも、っていう話が出てくるのでWEBサイトも制作しますし、イベントなんかあるとパネルも作ったりします。

紙媒体からWEBサイトへの流れが出たり、WEBサイトから紙媒体の話が出たり、広告のクロスメディアデザインとして包括的に勉強していく必要性は年々強まっていくような気がします。

最初紙媒体のデザイナーで独立したり、WEBデザイナーとして独立したりする人も多いと思うんですけど、しばらくやってると必ず「これはできないか」「あれはできないか」って話は出てきます。
どこまでやるかはそれぞれスタンスがあるでしょうけれど。
場合によっては他のデザイナーと組むってのもひとつの選択肢でしょうね。

それに広告のデザイナーやディレクターである以上は広告を全体的に捉える必要があるわけです。
単に見た目がいいデザインを作るってことだけなく、どのようにすれば効果があるのかって部分も考えなくちゃいけない。
また独立した以上は当然ビジネスとして成り立たせなくちゃいけない。
なんか、この仕事長く続ければ続けていくほど勉強することが多くなっていくんですよね(^^;;


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投稿者 Toshi : 09:19 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月08日

医療費控除

今年は入院したりしたので支払った医療費がかなり多くなりました(TT
医療費控除の届け出をするため、あらかじめ領収書を全部とっておきましたが、これは一年間の医療費が10万円を超えた場合、申告すれば税金の還付が受けられるというものです。

対象は治療費だけではなく、治療を受けるための交通費まで含まれます。
医療費たくさん使ったなあ、という人は今年の金額を調べてみて、確定申告の際届け出るようにしましょう。

↓ここが参考になります。
医療費と制度
確定申告ガイド


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2005年11月25日

経済と広告はリンクしている(2)

とは言っても経済を知るには、新聞を読んだり、経済誌を読んだり、WEBを見たりというのが基本だと思うんですが、興味がなければあまり本気で見ないと思うんですよ。

で、去年から株を買ってみたんですね。

こずかい程度の金額でやってみたんですけど、たとえ少額でも損するのが嫌なので、勉強しますよね。
すると世の中の動きが良くわかるようになります。
日本の資本主義ってのもわかりますし、経営に関しても良く考えるようになります。
すると政治・自分の住んでいる所の制度・経済の仕組みについても興味が湧いてくる。

するとどんな事でも「知らない」ってことは損をすることだということも良くわかります。

株についてはデイトレードは駄目です。8〜9割の人が損をしているそうです。
ぼくも一度面白がってやってみましたが、やっぱりおすすめしません。
本来株を運営するという事は自分が勉強して、安くて信頼できる会社の株を持って何ヶ月も何年もじっと待つことです。

プロじゃないのですから、株の売買に時間をとられて本来の仕事がおろそかになっては意味がありません。

株は儲けることも損することもありますのでバクチに例えられることもあり、いまだ日本では毛嫌いする人も多いです。しかし、同じ資本主義社会の他国では株を持つことはごく自然なことであり、自分の財産を運営するという点においてもひとつのツールとして欠かせないものです。
何よりも株を持つことは日本経済に貢献しているといってもいいでしょう。

株はいきなり価値がゼロにはならないので、勉強すればそうそう大損することはないでしょう。
フリーの人とかは特に自分のことは自分で保証しなくてはなりません。
ぼくは自分の資産の3分の2を銀行などのローリスクローリターンな方法で、3分の1をハイリスクハイリターンな株などで運営するのがいいのかな、と思います。
欧米などでは逆に3分の2くらいはハイリスクハイリターンで運営していますよね。

以上これはぼくの一個人の考え方です。
新聞の見方も変わってきます。労働者・消費者の視点から見るだけではなく経営側からの視点も持つようになります。
仕事にもきっと活かせると思います。


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投稿者 Toshi : 13:41 | コメント (0) | トラックバック

2005年11月21日

経済と広告はリンクしている(1)

広告っていつもその時代を反映してますよね。
コピーやビジュアルもその時の流行を取り入れたり、モデルだってメイクや髪型で当時の流行がわかるものです。

バブルの頃とその後の広告傾向だって違っていますし、クライアントの望むものや予算だって変わってきているでしょう。

当然、消費者の意識も変わりますし、それに応じた広告づくりが求められます。
このように景気の善し悪しで広告業界も大きく影響を受けます。

そういう意味でも広告クリエイターは流行だけでなく、ある程度経済について知識を持っているべきだと思いますし、独立すれば当然経営者でもあるわけですから、余計に知っておくべきなんじゃないかと思っています。

違う角度から見てみましょう。

自分ひとりでやっていくとなると、例え現在仕事が順調にいっていたとしても、今後ずっと順調である保証はないですし、まして病気やケガをして仕事が滞ると、それがそのまま収入にかかってきてしまいます。

今年はぼくも入院したりいろいろありましたので、よくよく考えるようになりました(^^;;

若い時期や仕事が順調な時は、あまり感じないものですが、クリエイターとて独立した以上は普段からキャッシュフローはもちろん自己資産の管理運営にももっと目を向ける必要があるのではないでしょうか。

そこまで考えると、やはり広告と経営の二面から経済を知ることはプラスになると思うのです。


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2005年10月27日

露骨にパクッちゃ駄目よ

買い物してる時に見つけてしまいました。ハアアア・・・困ったな、こりゃ。
この商品のパッケージデザイン、数年前に出してボツったやつじゃないの。
大抵デザイン提出するときは数案出すんですけど、その時は別の案で通ったんですよね。その時一緒に出したやつです。

多少似せて作るって分には良くあることかもしれませんけど、あまりにも露骨なのはいけません。ほとんどそのままパクってます、これ。
しかもこっちで出した時より質が悪くなってるし(苦笑)

間に別の会社が入ってる上、今も続いてる所だから対応難しいんですけどね、ちゃんと事情は説明してもらわないと。
そういう所に限って普段はデザインにうるさいんですよね(^^;; 何か手違いがあっただけ…だといいんですけど。
そうじゃなかったら少なくとも世間に商品を出してる会社のすることじゃありません。そういう所をきちんと意識させることもぼくたちの役目です。


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2005年10月17日

ある一日

【7:00】起床
【7:30】tvk「sakusaku」を見る。
【8:00】朝食。ワイドショーやニュース、新聞で世の中の動きを確認。
【9:00】朝風呂。
【9:30】仕事開始。
【12:30】昼食。
【2:00】都内へ打ち合わせ。
〜帰りに本屋でグラフィック関連、スポーツ関連、経済関連などの雑誌や本をチェック。
【5:00】帰宅。仕事再開。
【8:00】夕飯、お風呂〜TVや読書。
【11:00】テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」を見る。
【12:00】就寝。

以上比較的平穏な一日の例を紹介しました。
7時に起きて12時に寝るというサラリーマン時代と変わらないよう意識してます。
忙しい時は朝から深夜まで仕事になります。そういう時は朝はゆっくり(^^


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2005年06月22日

クリエイターとしてのスタンス

この仕事って、すごく波があります。
忙しい時はいくつも仕事が重なるし、ひまな時はひま、なんです。
問題は忙しい時、仕事を断るともう二度と仕事がこない。
だから仕事は断らない、という人と無理なものは無理だから
断る時は断る、という人がいます。

ぼくは独立当初は前者で、断らないようにしよう、と思っていました。
でも今は無理な時は無理に受けないようにしています。
何度か経験して、無理な状況でやっても結局お客さんに迷惑がかかると気づいたからです。
特にデザイン作業というのはオペレーティング作業とは違い、徹夜したからといって良いものができるとは限りません。
やもえず外注に出しても、期待通りのものが出来てこないと、それがそのまま自分の評価になってしまうので、結局損。
(なので、腕のいいフリーのデザイナーは随時募集しています。あふれるほど仕事が来ることはそうそうないので、めったに仕事は出ないかもしれませんが(笑))

以前、たまたまタイミングが悪くて、何度も仕事を断っていた人から仕事の話しが来ました。
この時も他の仕事があったのですが、さすがに今回は受けないと悪い、と思って請負ました。
スケジュールもかなりきつく、仕事の詳しい内容もわからないまま打ち合わせに入りました。
担当ディレクターやコピーライターとその場で内容を確認して、方向性を決定。すぐにデザイン制作に入りましたが、制作の途中でこれは何か違うんじゃないか、と思いました。しかし時間がなかったので担当ディレクターの指示通りに作成しました。
コンペだったのですが見事落選。
時間があれば打ち合わせの前に内容をもらって、もっと自分の意見を盛り込めたと思うし、途中疑問に感じたことも再度提案したり、ぼくのアイディアでもう一案作ることも可能だったはず。

プロとして一度引き受けた以上、時間がないというのは言い訳にもならないのです。受けないと悪いと引き受けた仕事が結局仕事を回してくれた人に対して迷惑をかけることになったのです。
結果プロとして納得いくものができなかった。今までの経験からコンペも自分で納得いくものは通ってきましたし、納得いかない時は落ちて当たり前。(これが通っちゃうのって案が通ることもあるんですが)

したがって、自分で納得できるクォリティが保てそうにないときは素直に訳を話して断るスタンスでいます。
実際に断るケースは少ないのですが、そんな時はぼくなどに仕事をふっていただいたのに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この場を借りて改めておわびいたします。
その変わり引き受けた仕事には全力をつくすのがぼくのスタンスです。

「独立独歩」という第一線で活躍するディレクターやデザイナーのインタビューの本があるのですが、やはり彼らも無理に仕事は引き受けないんだそうです。(もっとも彼らの場合は引く手あまたということもあるでしょうが)
ただし、仕事のスタンスというのは人それぞれです。正解などないのかもしれません。


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