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2005年06月22日
クリエイターとしてのスタンス
この仕事って、すごく波があります。
忙しい時はいくつも仕事が重なるし、ひまな時はひま、なんです。
問題は忙しい時、仕事を断るともう二度と仕事がこない。
だから仕事は断らない、という人と無理なものは無理だから
断る時は断る、という人がいます。
ぼくは独立当初は前者で、断らないようにしよう、と思っていました。
でも今は無理な時は無理に受けないようにしています。
何度か経験して、無理な状況でやっても結局お客さんに迷惑がかかると気づいたからです。
特にデザイン作業というのはオペレーティング作業とは違い、徹夜したからといって良いものができるとは限りません。
やもえず外注に出しても、期待通りのものが出来てこないと、それがそのまま自分の評価になってしまうので、結局損。
(なので、腕のいいフリーのデザイナーは随時募集しています。あふれるほど仕事が来ることはそうそうないので、めったに仕事は出ないかもしれませんが(笑))
以前、たまたまタイミングが悪くて、何度も仕事を断っていた人から仕事の話しが来ました。
この時も他の仕事があったのですが、さすがに今回は受けないと悪い、と思って請負ました。
スケジュールもかなりきつく、仕事の詳しい内容もわからないまま打ち合わせに入りました。
担当ディレクターやコピーライターとその場で内容を確認して、方向性を決定。すぐにデザイン制作に入りましたが、制作の途中でこれは何か違うんじゃないか、と思いました。しかし時間がなかったので担当ディレクターの指示通りに作成しました。
コンペだったのですが見事落選。
時間があれば打ち合わせの前に内容をもらって、もっと自分の意見を盛り込めたと思うし、途中疑問に感じたことも再度提案したり、ぼくのアイディアでもう一案作ることも可能だったはず。
プロとして一度引き受けた以上、時間がないというのは言い訳にもならないのです。受けないと悪いと引き受けた仕事が結局仕事を回してくれた人に対して迷惑をかけることになったのです。
結果プロとして納得いくものができなかった。今までの経験からコンペも自分で納得いくものは通ってきましたし、納得いかない時は落ちて当たり前。(これが通っちゃうのって案が通ることもあるんですが)
したがって、自分で納得できるクォリティが保てそうにないときは素直に訳を話して断るスタンスでいます。
実際に断るケースは少ないのですが、そんな時はぼくなどに仕事をふっていただいたのに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この場を借りて改めておわびいたします。
その変わり引き受けた仕事には全力をつくすのがぼくのスタンスです。
「独立独歩」という第一線で活躍するディレクターやデザイナーのインタビューの本があるのですが、やはり彼らも無理に仕事は引き受けないんだそうです。(もっとも彼らの場合は引く手あまたということもあるでしょうが)
ただし、仕事のスタンスというのは人それぞれです。正解などないのかもしれません。
投稿者 Toshi : 2005年06月22日 11:38
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