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2009年06月27日

グラフィックデザインの移り変わり

昨日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで『Max Huber − a graphic designer』を見ました。
マックス・フーバーは前世紀に活躍したグラフィックデザイナーです。

今回の企画展で一番印象深かったのは、じつは建築家の安藤忠雄さんが寄せたことばです。

「一九六〇年代、二十代のとき、私は独学で建築を学びながら、アートやデザインなどさまざまな分野の表現芸術に興味を持ち、影響を受けていた。その中でも、グラフィックデザインは最も先鋭的で知的な世界で(中略)真の意味でデザインが前衛たりえていた、時代の空気をなつかしく思い出す。フーバーは、自らの創造力をもって、商業主義を超越し、企業とデザイナーが一丸となってつくりあげて行く文化の流れを生み出した」

今、グラフィックデザインは「最も先鋭的で知的な世界」とみられているだろうかと、しばらく考えこんでしまった。

まして「商業主義を超越し、企業とデザイナーが一丸となって」という状況とはほど遠いケースも多いわけです。

その後、クリエイションギャラリーG8で「JAGDA新人賞受賞作家作品展2009」を見ました。

「お、この表現素晴らしいなー」「このグッズは面白いね」なんて思いながら見ましたが、時代を越えたふたつの作品展を見て、グラフィックはやっぱり先鋭的で知的な世界でありつづけているのではないだろうか、と思いました。

表現とは単に技術のことだけではないわけです。

例えば小説には小説の、映画には映画の良さがあります。ふたつを比較してどちらが優れているという議論は意味がないと思います。

だから他の表現技術と比較するのではなく「企業とデザイナーが一丸となる」ことこそが、真の意味で成功をもたらすのではないかな、と感じた一日でした。

うん、やっぱり何を使うかよりも、目的とゴールを共有し、どのように使うかが大事なんだね。



投稿者 Toshi : 2009年06月27日 01:08

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