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2006年06月09日
著作権対処法
デザイナーの著作権にまつわるトラブルで多いのが、デザインを真似された、またはデザインデータを流用されたということでしょう。
1. コンペで落選したはずのデザインが、いつの間にか利用されていた。
2. 作成データを無断でクライアントに二次利用された。
こういう例はデザインだけではなく、イラストや写真なんかも多いですね。
1はあきらかにクライアント側が、悪意を持って行っているケースが多いようです。
信じられない事に決して珍しいことではなく、私のまわりでも何度か聞いた事があります。
2は、現状あたり前のように横行していることです。特に悪意があって行っているというよりは、
著作権に対する知識が無いために行っているケースが多いです。
デザイナー自身、著作権侵害だと気づいてない場合も多いですが、 著作権侵害だとわかっていてもなかなか強気に出れない場合が多いのではないかと思います。
私もそのようなことがあったことで、以下の問題が浮かび上がってきました。
1. 発注者の認識不足--制作料を払えば全て私のもの、という勘違い。
2. 制作者の知識不足--予防策を取れなかった。説明できなかった。
3. 力関係による説明不足--問題にしすぎると今後に影響する。
具体的な対処方法には以下の方法があります。
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見積書に「この料金には制作者以外へ二次利用するための料金は含まれておりません。 二次利用する権利も含める場合は別途お見積もり致します」など、条件を明記しておく。
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著作権、使用条件に関する事項を契約書で取り交わす。
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データを手渡すメディア、用紙やデータ送信時に無断複製や二次利用ができない旨を明記する。
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打ち合わせや見積り前に「このデザインは私以外が使用して、二次利用することはありますか」と聞いておく。 自分以外が二次利用することがわかっていれば、その料金も含めて料金を提示しておく。
あらかじめ発注者に著作権の存在をアピールしておくのです。
このさじ加減は難しく、あまりに著作権を厳しく主張しすぎても「面倒くさい奴」と思われ、
仕事がこなくなるのではと思うデザイナーも多いでしょう。
現実問題として、常に仕事を貰っているクライアントなら、この程度なら差引き損はしないと判断するのも間違いではないと思います。
私も普段は二次利用してもかまわない、と思うことも多いです。
著作権侵害は親告罪です。著作者が問題ないと判断すれば、著作権侵害として罪に問う事は出来ません。
かといって、何の対処もしないのもどうかと思います。上記の対処方法などでクライアントに著作権に対する意識を高めてもらいつつ、
容認するケースと容認できないケースをどのように分けて考えるかというのが、経営判断になるのではないでしょうか。
投稿者 Toshi : 2006年06月09日 11:51
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