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2005年05月02日

日本のオンラインミュージックストア

米アップルの「iTunes Music Store」を例に取るまでもなく、世界的に市場は急速に拡大しています。爆発的ヒットとなったiPodの影響も大きいですが、米国では現在$0.79〜$0.99、アルバムでも$10が相場です。2009年には1曲$0.29まで値下がりすることも予想されており、さらに大きな市場になるでしょう。

日本の2004年の音楽CD出荷額は3788億円。6年連続の縮小となりました。市場が縮小傾向にある音楽CD市場に対し、著作権使用料は増加傾向にあります。

これはDVDやまた、インターネット配信、高料金でも順調な着メロの伸びがあるからです。音楽市場は決して縮小しているわけではなく、多様化していると見るべきです。米国より出遅れている感じの日本市場ですが、今後オンラインミュージックストアは音楽ソフト業界において重要な位置を占めてくるでしょう。

音楽ダウンロード 格差大きい日本と欧米

ことあるごとに日本のiTunes Music Storeはいつ始まるのか、と言われます。日本でも同じサービスがあるにもかかわらずiTunes Music Storeが期待されるのは、現在の日本のオンラインミュージックストアに満足していないからと言えます。


日本では現在1曲210円からと米国と比べるとかなり割高です。アップルが日本参入に時間がかかっているのも価格的な部分での合意がネックといえるでしょう。おそらくアップルのスティーブ・ジョブズCEOは100円程度が理想と考えているのではないでしょうか。ぼくが担当者だったらそう考えます。
同じインターネット上のサービスにもかかわらず米国で$0.99だとわかってるのに、その倍の価格で購入となれば、ユーザーはばかばかしく感じるでしょう。そしてそれが正しいか正しくないかは別にして「なぜだ?!」というもどかしさの矛先は日本の音楽業界そのものに向けられるのです。

様々な分野において日本のビジネスは複雑なシステムになっていることが多く、これが市場の発展をさまたげています。音楽市場もまたしかりで、上記記事にもある通り、著作権ひとつとってもレコード会社が一括管理する米国に比べて、日本では複雑にからみあってきます。
まずこの複雑なシステムを改革し、消費者が音楽を楽しみやすい環境を整えなければ、日本の音楽市場は世界から置いていかれるに違いありません。

アップルは音楽配信で利益が出なくてもiPodとの抱き合わせで考えて利益が出ればいいので、思い切った価格が設定できます。しかしレコード会社が主権を握っている日本のオンラインミュージックサービスでは音楽配信そのもので利益を出さなくではならないので、価格水準は下げにくいと言われています。

しかしぼくはこれもやり方次第で下げることは可能だと思います。そこにプラスαを組み込めばいいわけです。単に音楽配信のみで利益を上げようとするからいけないわけで、アップルのようにハードウェアがなければ別のものと抱き合わせで考えればいいわけです。


エイベックスが音楽配信に力をいれていくと発表しました。アップルにも曲を提供する方針とのことです。この業界はソニー・ミュージックエンタテイメントが最大手ですが、エイベックスもそれに次ぐだけの影響力を持っているだけに、経営戦略にあった「みずから市場を作り出す力」に期待したいところです。
しかし単に配信品質の向上だけで終わるのであればあまり効果はありません。

そして着うたの時のように新規参入を妨害するようなことがないようにしてもらいたいですし、今のままでは決して消費者の支持は得られないのはわかっているはずです。今年こそ音楽関係者が真剣に取り組むべき課題であろうと思います。

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投稿者 Toshi : 2005年05月02日 15:39

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